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敷金返還請求

事件の概要

1.Aは6年間住んでたマンションを引っ越し、差し入れていた24万円(賃料の3ヶ月分)の敷金の返還を家主のBに求めた。
2.ところが家主Bから、畳の表替え、襖の張替え、カーペット、クロス(壁紙)の張替えなどの原状回復費用(修繕費用)として33万円かかったとして、逆に敷金との差額9万円を追加請求された。
3.家主Bからの請求のは賃貸借契約書に、次のような特約があるとのことを根拠とする。  第8条 甲(家主B)は、乙(賃借人A)がこの物件を使用するために必要な修繕を行い、乙は次の各号に掲げるものの修繕を乙の負担により行う
  • (1)畳表の取替え裏返し
  • (2)障子紙、襖紙の張替え
  • (3)床・壁等を汚損又は破損したときの補修・交換
  • (4)住宅の鍵・電気のスイッチ・水栓その他住宅内部の小修理
  • (5)浴槽・風呂釜の修理
  • 第9条 この契約が終了し本物件を明け渡す際、これを現状に回復しなければならない。
  • Aさんの言い分
  • ・畳表には、2ヶ所不注意によりたばこの焼け焦げをつくってしまったので、その2枚分は弁償します。
  • ・襖は1枚に子供が落書きをしてしまったので、これも弁償します。
  • ・その他については、6年も居住していたのですから、全体に古くなり少し汚れるのは当然ではないか。
  • ・賃貸借契約書に第8条、9条の特約があるが、これは家主の修繕義務を免除したものであり、積極的に私が修繕費用を負担すると解釈することはできない。このように解釈した判例もあります。

訴状記載例***敷金返還請求

訴  状 (少額訴訟)
事件名 貸金返還請求事件
少額訴訟による審理及び裁判を求めます。
本年、この裁判所において少額訴訟による審理及び裁判を求めるのは、1回目です。
○○ 簡易裁判所 御中                     平成○○年○○月○○日
原告人
申立人
〒○○○-○○○○
  住所 ○○○市○○○区○丁目○番○号 ○○○マンション○○○号室
  氏名 A
  TEL ○○○-○○○-○○○○   FAX ○○○-○○○-○○○○
送達場所の届出 原告(申立人)に対する書類の送達は、
次の場所に宛てて行ってください。  
上記の住所
被告
相手方
〒○○○-○○○○
  住所 ○○○市○○○区○丁目○番○号 ○○○マンション○○○号室
  氏名 B
  TEL ○○○-○○○-○○○○   FAX ○○○-○○○-○○○○


請求の趣旨
1.被告は、原告に対し、次の金員を支払え。
 ① 金228,000円
 ② ①の金額に対する平成○○年○○月○○日から支払済みまでの年6%の割合による遅延損害金
2.訴訟費用は被告の負担とする
との判決並びに仮執行の宣言を求める。
紛争の要点・請求の原因
1.原告は平成○○年○○月○○日に被告と次の内容の賃貸借契約を締結し、同日被告に金21万円を敷金として交付し、被告はこれを受領した。 (甲第1号証、甲第2号証)
   (1)賃貸物件  ○○○市○○○区○丁目○番○号 ○○○マンション○○○号室
 (2)賃貸の目的 住宅
 (3)賃料    1ヶ月金7万円
 (4)支払方法  毎月末日限り翌月分を被告の銀行口座に送金する
 (5)敷金    金21万円(賃料の3ヶ月分、但し賃料が増額された時は真賃料の3ヶ月分との差額を支払う)
 (6)賃貸期間  平成○○年○○月○○日から2年間
 (7)更新料   更新後の新賃料の半月分を支払う
2.その後本件賃貸借契約は、順次更新され平成○○年○○月○○日からは賃料1ヶ月金8万円と変更し、敷金の差額を差し入れた結果交付済み敷金は金24万円となった。(甲第3号証)
3.原告は平成○○年○○月○○日付けでこの賃貸借契約を解約し、同日本件賃貸借物件を清掃の上明け渡し、被告に鍵を返し敷金の返還を請求した。
4.ところが被告は、原状回復費用の負担があるので、後日精算の上返還すると言って、敷金の返還をしなかった。
5.その後被告から原告に、平成○○年○○月○○日付けの敷金精算書が交付され、下記費用が原告が負担すべきものとして記載され、そこから敷金24万円を差し引いた9万円を原告に支払うよう請求してきた。
(1)畳の張替え (6畳×5,000円)      30,000円
(2)襖の張替え (大・6本×2,000円)    12,000円
(3)同     (小・2本×1,000円) 2,000円
(4)カーペットの張替え (32㎡×4,300円)137,600円
(5)クロスの張替え (99㎡×1,500円)  140,500円
合計 330,100
6.被告はこれらについて、原告が賃貸借契約第8条・9条に基づき、修繕義務及び現状回復義務を負うとしてその費用を、原告に請求している。
7.しかし、原告は本件賃貸物件を居住として通常の用法に従って使用したにすぎず、6年間の使用中には多少の汚損は認められるかも知れないが、いずれも居住用建物の通常の使用による消耗、汚損であり、賃料によりカバーされるべきものであるので、特に原告が負担すべきいわれはない。
 但し、畳表2枚分につけたタバコによる焦げ後の修繕義務及び襖(大)一枚分ついての落書き跡についての修繕義務は認める。
8.被告は畳表と襖の取替えについて、賃貸借契約第8条に修繕義務を特約しているので、原告がこの費用を負担すべきと主張する。  しかし、この修繕義務特約は賃貸借継続中の賃貸人の義務を免除したものであり、退去時の原告の修繕義務を定めたものではない。
9.また、被告はカーペットやクロスについて、原告は入居時の状態まで復元的に回復させる義務を賃貸借契約第9条の現状回復義務の特約により、負担する主張する。
 しかし、賃貸物件の日常使用や日時の経過による劣化・損耗はその賃料によって賄われるべきであり、被告の主張は賃貸人の再投資費用を原告に負担されるものである
10.原告としては、本件賃貸借契約違反による損害賠償義務は最大畳表2枚取替え分の1万円と襖1本張替え分の2000円の合計1万2000円と考えており、同額を敷金から控除した残額である金22万8000円を請求するものである。
11.よって、請求の趣旨記載のとおりの請求を求める
証拠方法
1.書証
  甲第1号証 賃貸借契約書       1通
  甲第2号証 敷金預かり証1      1通
  甲第3号証 敷金預かり証2      1通
  甲第4号証 敷金精算書        1通
付属書類
  訴状副本  1通
  甲号証写し 各1通

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