民事訴訟の手続、民事訴訟の流れなどについて解説

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1.終局判決
2.訴訟上の和解
3.請求の放棄・認諾
4.訴えの取り下げ


2.訴訟上の和解

  • (1)意義・法的性質
  • (2)効用
  • (3)要件・効果
  • (4)裁判所における和解の実情
  • (5)和解の効力をめぐる紛争とその取扱い

(1)意義・法的性質

民事訴訟イメージ  訴訟上の和解は、訴訟物である権利関係について当事者間で互譲することによって和解契約(民法695条)を締結するとともに、これによって訴訟を終了させようとする合意であり、この合意が訴訟手続中に裁判官が関与して行われるものです。

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(2)効用

民事訴訟イメージ  和解の効用としては次のような点が挙がられます。

 ①訴訟を早期に終結させ、紛争解決に導くことができる。

 和解は訴訟手続がどの段階にあるかを問わず行われるが、証拠調べ前であればその期間は短縮されるし、証拠調べ終了後判決直前の段階であっても、確定判決と同様の効力が付与される(民訴法267条)ことにより上訴は遮断され、これに要する期間は短縮される。

 ②期間短縮により訴訟費用の節減につながる。
 ③事案に応じた柔軟な解決を図ることができる。
 ④当事者の合意という基礎があるからあ、任意の履行が期待でき、早期に権利内容が実現される。

以上のような効用は、次のような理由から少額の事件について簡易・迅速に紛争解決することを使命とする簡易裁判所においてより妥当すると考えられます。すなわち

 ①訴額に見合った相応の時間的、経済的コストで紛争解決することが求められる。
 ②訴額が小さいことから双方の主張の量的差異も小さく、互譲の可能性は一般的に高いといえる。
 ③訴額が小さいことから任意履行の可能性も一般的に高いといえる。

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(3)要件・効果

(A)和解が有効に成立するための要件

民事訴訟イメージ  まず、和解の対象となる権利関係が当事者の任意処分を許すものであることが必要です。したがって、公益性および判決の対世的効力の観点から当事者の合意による自由な解決を許さない人事関係訴訟、会社関係訴訟(主として形成訴訟)においては、一般に和解は許されません。

 次に、法律行為の一般的有効要件を充足することが必要です。すなわち合意内容が事実上・法律上実現可能なものであること(原始的不能は無効となる)、合意内容が確定していること、合意内容が適法であること(強行法規、たとえば身分関係法規、利息制限法、借地借家法などに違反しないものであることを要する)、社会的妥当性があること(公序良俗違反は無効となる)が必要です。

(B)和解成立による効果

 和解成立による効果は、第1に訴訟が終了することです。和解に既判力が認められるかどうかについては争いがあり、消極説が体勢といってよいでしょう。第2に、和解条項に従った実体法上の効果が発生します。和解調書への記載は確定判決と同一の効力を有するとされ(民訴法267条)、和解条項に給付義務が定められると和解調書は執行力を付与され、債務名義となります(民執法22条7号)。

 訴訟代理人が和解を行う場合は、特別授権が必要となります(民訴法55条2項2号)。和解調書は、当事者からの申請があればその正本(または謄本)を送達します。判決と異なり職権で送達する根拠はありません。

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(4)裁判所における和解の実情

民事訴訟イメージ  和解は本来的には訴訟物たる権利関係について互譲によって解決を図るものですが、実際の和解では訴訟物以外の権利関係をも加えて併せて解決を図る例が多く見受けられます。たとえば、貸金150万円のうちの一部90万円の返還を求める貸金請求訴訟では、一部であることを明示して訴えを提起する限りは当該部分だけが訴訟物となります。

 しかし、和解の場合は訴訟物以外の60万円も加えた全体について和解するのが一般で(そうでないと原告が和解に応じない)、これは許されると解されています。和解は訴訟手続がどの段階にあるかを問わず行われ、和解の態様も当事者主導型、裁判所主導型、その中間型とさまざまです。証拠調べ前の主張整理の段階では裁判所が事件の見通しを持ちにくいこともあり、事案の内容を最も知っている当事者手動型である場合が多いです。

 主張整理・争点整理、書証の整理・取調べが終われば、裁判所もある程度事件の見通しを持てるようになり、中間型ないし裁判所主導型も多くなります。証拠調べが終了すれば、あとは弁論終結、判決言渡しとなるので裁判所の心証は形成されており、判決による解決よりはより柔軟かつ迅速な解決を目指して裁判所手動方で和歌が進められることが多くなります。

 この時点において裁判所が提示する和解案は、判決の結論についての心証を踏まえて、勝訴が予定される当事者に一定の譲歩を求める内容のものになることが多いです。なぜなら、裁判官と司法委員は事件内容について意見交換し、心証について共通の認識をもったうえで、提示する和解案の幅についても協議しているのが通常だからです。このことは、主張整理・争点整理、書証の整理・取調べが終わり証拠調べ(人証)前の時点における和解でも、程度の差こそあれ基本的には同様です。

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(5)和解の効力をめぐる紛争とその取扱い

民事訴訟イメージ  和解の成立過程に意思の瑕疵があるとして、あるいは和解成立後の事情によりその無効が主張されることがある。この無効を主張する方法として判例上承認されているものは次の通りです。

 ①和解による訴訟終了効が発生していないとする元の事件についての期日指定の申立て
 ②端的に和解の無効確認を求める訴え
 ③和解に基づく執行力がないことを理由とする請求意義の訴え

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