民事訴訟の手続、民事訴訟の流れなどについて解説

民事再生

裁判所の選択(管轄)

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1.簡易裁判所 or 地方裁判所
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4.移送 (被告による裁判所の選択)


4.移送 (被告による裁判所の選択)

民事訴訟イメージ  原告同様、被告にとっても訴えを提起された裁判所の所在地は重要です。遠方に足を運ばざるを得ないということにもなりかねないからです。その被告による裁判所の選択権行使の方法として移送申立てというものがあります。
 移送とは、ある裁判所に生じている訴訟を他の裁判所に移すことをいいます。移送の種類には以下のものがあり、被告の申立てのほか裁判所の職権でもできます。

①管轄違いによる移送
 被告は、原告が訴えを提起して裁判所所在地が法律の定めに違反すると考えるときは、管轄違いの抗弁を提出するとともに、本来の管轄裁判所への移送を申立てることができます(民訴法16条1項)。

②遅滞を避ける等のための裁量移送
 訴訟の著しい遅滞を避けるため、または当事者間の公平を図るため必要と認めるときは訴訟を他の管轄裁判所へ移送することができる(民訴法17条)。これは、原告が選択した裁判所が常に当該事件の新しい位に適しているとは限らないため、原告が選択した裁判所に管轄権がある場合でも被告は訴訟の著しい遅滞を避けるため、または当事者間の衡平を図るため必要と認められる事情を主張して、他の管轄裁判所への移送を申立てることができるとされたものです。

 ここで重要な点は、訴訟の著しい遅滞を避けるため、又は当事者間の衡平を図るため必要と認められる事情があるかどうかについては、当事者および尋問を受けるべき証人の住所、使用すべき検証物の所在地その他の事情を考慮に入れて判断することとされていることです。

③地方裁判所への裁量移送
 簡易裁判所は、管轄のある事件についても相当と認めるときはその所在地を管轄する地方裁判所に訴訟を移送することができます(民訴法18条)。相当と認めるかどうかの一般的な判断基準としては、簡易な手続により迅速に紛争を解決することを旨をする(同法270条)簡易裁判所の訴訟手続になじむ事件であるかどうかと言う基準が立てられます。

具体的には、以下の事件などは簡易裁判所において官位・迅速な手続で審理するにはなじまないものといえるでしょう。

  •  一.高度の法律解釈(たとえば憲法問題など)
  •  二.行政処分の航路気宇に関する争うが争点に関わる事件
  •  三.背景に集団労働関係紛争が内在していると思われる事件
  •  四.医療過誤、薬害、食品公害など専門知識を要する特殊損害賠償事件
  •  五.国家賠償請求事件
  •  六.破産芳情の否認事件
  •  七.親族相続をめぐるトラブルから派生していると思われる事件

④当事者の申立ておよび相手方の同意による必要的移送
 第一審裁判所は、管轄がある場合でも当事者のも申立ておよび相手方の同意があるときは、訴訟を申立てにかかる地方裁判所または簡易裁判所へ移送しなければなりません(民訴法19条1項)。これは、当事者間に合意が成立した以上、事後的な管轄合意に類するものとしてこれをそのまま認めようとするものであり、当事者の自立性を尊重する定めです。

⑤不動産訴訟における被告の申立てによる必要的移送
 訴額90万円以下の不動産訴訟については、簡易裁判所と地方裁判所の管轄が競合しています(裁判所法33条1項1号・24条1号)。しかし、不動産訴訟は一般に複雑・困難な事件が多いことから、本来的な管轄裁判所は地方裁判所としますが、訴額90万円以下のものについては付加的に簡易裁判所の管轄権も認める趣旨と解されるので、被告が地方裁判所での審理を求めて移送申立てをした場合には、原則に戻って地方裁判所で審理させるため必要的移送としたものです(民訴法19条2項)。

⑥事物管轄を超える応訴の提起に基づく地方裁判所への移送
 被告が反訴(民訴法146条)で地方裁判所の管轄に属する請求をした場合に、相手方の申立てがあるときは、簡易裁判所は本訴および反訴を地方裁判所に移送しなければなりません(同法274条)。

⑦移送の手続および即時抗告
 移送の判断は裁判所の決定という手続で行います。裁判所は民事訴訟法17条・18条の移送申立てがあったときは相手方の意見を聞いた上で決定するものとされ、職権により同条の移送決定をするときは当時者の意見を聞くことができるとされています(民訴規則8条)。移送決定および移送申立却下決定に大しては、民事訴訟法274条の場合を除き即時抗告ができます(民訴法21条)。

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