【横浜・神奈川】敷金返還手続に関する解説

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事例10

「原状回復特約」を通常使用による劣化には適用されないと判断

東京簡判 平成8年3月19日

(1)事案の概要

借主Xは、平成3年8月30日、Yとの間で東京都内のアパートの賃貸借契約を締結した。契約期間は2年間、賃料月額15万円、敷金30万円とし、Xはその前日Yに敷金を交付した。平成5年8月30日に契約更新時に賃料が5千円、結果敷金も1万円増額されたのでxは同日Yに敷金を追加交付した。平成7年8月31日賃貸借契約は解除され、同日XはアパートをYに明渡した。
 Yは、賃貸借契約書の「賃借人は明渡しの際、自己の費用負担において専門業者相当の清掃クリーニングを行う」旨の特約に基づき、クリーニングを含む補修工事などを実施し、27万6280円を支出したとして、敷金との差し引き3万3720円を返還した。このため、Xは交付済みの敷金残額の返還を求めて提訴した。

(2)判決の要旨

1. 建物が時の経過によって古び、減価していくのはさけられず、賃貸人は減価の進行する器官、それを他に賃貸して賃料収入を得るので、賃貸借終了後、その建物を賃貸借開始時の状態に復帰させることまで要求するのは、当事者の公平を失する。
2. 本件特約は、賃借人の故意、過失に基づく毀損や通常でない使用方法による劣化等についてのみ、その回復を義務づけたものと解するのが相当である。
3. 本件について、Xの故意、過失による毀損や通常でない使用による劣化等を求める証拠がない。
4. 以上から、Xの請求を全面的に認めた。

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