【横浜・神奈川】敷金返還手続に関する解説

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事例14

「原状回復特約」が有効となるための判断基準を示した(原状回復特約は無効と判断)

伏見簡判 平成9年2月25日

(1)事案の概要

借主Xは、平成3年4月10日、貸主Yより本件建物を賃料7面2000円、敷金21万6000円の約定で賃借した。
 Xは、平成7年8月31日本件建物を退去した。明渡し時にY側はBが立会い、Bは要修理箇所を書き出し、Xの負担すべき補修費用を36万8490円と算出し、Xに通知した。しかし、xがYの通↓補修を行わなかったので、YはXの負担においてこの補修を代行した。
 Xは、Yが補修費用36万8490円と資金の差額15万2490円の支払を求めて反訴した。

(2)判決の要旨

1. 補修のうち、Xの責めに帰すべき事由によるものは、Xが冷蔵庫背面の排熱を考慮しなかったことによる壁面の黒い帯、Xの過失による床の煙草の焦げ跡、X退去の際、X側の者が家具を倒したことによる畳の凹み、以上3点の補修費用14万9860円である。
2. Yの主張するように、退去にあたって、内装等を賃貸開始時の状態にする義務ありとするためには、原状回復費用という形で実質的賃料を追徴しなければならない合理性、必然性が必要であり、さらに賃借人がその合理性、必然性を認識し又は認識しうべくして義務負担の意思表示をしたことが必要である。
3. 本件契約締結にあたり、原状回復義務の規定及びかかる義務負担の合理性、必然性についての説明があったとは認められない本件においては、XがYの主張のような原状回復義務を負担する意思を有していたとは認められず、また、そう認識すべき場合でもなく、結局、その効力は認められない。
4. 以上から、Xの敷金返還請求のうち、Xの責めに帰すべき損傷の補修費用を控除した6万6140円の支払を認め、Yの反訴請求を棄却した。

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