事例17
一部の特約(浄化槽の清掃)を有効とし、その他の原状回復費用は賃貸人の負担
神奈川簡判 平成9年7月2日
(1)事案の概要
借主Xは、平成7年8月、貸主Yとの間で賃貸借契約(賃料18万円)を締結し、敷金36万円を支払った。Xは平成8年3月に解約し、本件建物を退去したが、Yは、畳の取替え費用等約35万円を支出したとして、敷金から差引き、8100円のみをXに返還した。なお、Xは訴訟機関中に浄化槽の清掃費(1万7200円)については支払うことを認め、請求額を39万5989円んに縮減した。
(2)判決の要旨
| 1. | 修繕費用を賃借人に負担させる現行回復の特約は、特別な事情がない限り認められず、賃借人に修繕義務はない。 |
| 2. | 賃借人は、畳を張り替えなければならないほどの損傷を与えていない。 |
| 3. | 浄化槽の清掃は、修繕ではなく、その費用を特約により賃借人負担とすることには特別の事情を要しないため、賃借人に支払義務がある。 |
| 4. | 以上から、Xの請求(縮減後の39万5989円)全額の返還を認めた。 |
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