事例3
一部(壁、クロスの張替え)賃貸人の主張を認める判断をした
東京高判 平成7年12月26日
(1)事案の概要
貸主Xは、昭和63年9月16日、貸主Yに対し、本件建物を賃料月額21万7千円、共益費月額1万8千円で賃貸した。本件契約には、原状回復(その具体的内容は契約書末尾に記載)の処置をとり明渡す旨の条項があった。
平成4年5月28日、Yは本件建物を退去したが、XはYが平成2年6月分以降の賃料および共益費を支払わず、また、Yが退去にあたり何ら補修をしなかっため、Xがカーペットの敷替え、壁等のクロスの張替え等の原状回復費用(約65万円)を支払ったとして、Yにそれらの支払を求めた。
(2)判決の要旨
| 1. | カーペットの敷替えは、それまで行う必要はなく、クリーニング(1万5000円)で十分である。 |
| 2. | クロス張替えは壁・天井ともやむをえない(26万8000円)が、下地調整及び残材処理は賃借人に負担させる根拠はなく、認められない。 |
| 3. | 畳表替えは、取り替えでなく、裏返しで十分であった(2万1600円)。 |
| 4. | 室内クリーニングは、700円/㎡として認められるべきである(5万4082円)が、室外クリーニングは契約の合意項目になのでYに負担させるべきでない。 |
| 5. | 以上から、YはXに35万8682円を支払うよう命じた。 |
なお、Yが一審敗訴部分の取り消しを求めて控訴した。控訴審(東京高判平成7・12・26)は、Yの控訴を棄却した。
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