【横浜・神奈川】敷金返還手続に関する解説

敷金返還手続に関する解説

訴訟提起前の検討事項

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訴訟提起前の検討事項

敷金の返還をめぐりトラブルになり、話合いによる解決ができないのであれば、 最終的な手段として裁判手続きに頼らざるを得ないこともあるでしょう。
その場合の最終的な確認としてご利用下さい。
当たり前といえることもありますが、もう一度再確認をして下さい。

問いはQ1~Q9まであります。 各問いに順々に検討していきましょう。

Q1.賃貸借契約は成立しましたか?

当たり前と思われるかもしれませんが、敷金を返してと言えるのは敷金返還契約があるからで、この契約はその前提として賃貸借契約が必要なのです。

Q2.賃貸借契約に敷金契約はありましたか?敷金としてお金を渡しましたか?

賃貸借契約のときに、賃料以外にさまざまな名目のお金が支払われます。たとえば、敷金のほかに権利金・礼金・保証金などです。

・ 敷金として渡している場合
賃貸借契約終了(判例では明渡し)の際、賃借人に賃料不払いや賃借物件を傷つけた等の損害賠償について債務不履行があればこれを差し引いて返還されるもので、何もなければ本来全額返還されるべきものです。
・ 権利金として渡している場合
権利金は多種多様なものがあり、一概に定義できませんが、原則的には返還されない性質のものです。更新料とか転貸承諾料等も権利金の一種です。
・ 礼金として渡している場合
契約成立の際、謝礼金として支払われる権利金の一種で、原則的に返還されません。
・ 保証金として渡している場合
貸ビル・マンション等の賃貸借に際して支払われることが多く、敷金とともにまたは敷金なしで支払われます。とくに敷金なしで保証金のみの場合、敷金と権利金の性質を併せ持ち、賃貸借契約終了時には一部を返還するという契約になっていることが多いです。

Q3.賃貸借契約は終了していますか?

敷金はその性質上賃貸借契約が終了しなければ返還を請求できないものです。

Q4.部屋は明渡しましたか?

判例によると、明渡しが済まないと請求ができないとされています。

Q5.敷金を返す時期が決まっていませんか?

契約書のなかに「明渡して2週間後」とか「明渡し後1ヶ月以内に」とか記載されていませんか。期間が約束されていればその期間が過ぎてからしか請求できません。記載がなければ明渡し後すぐに請求することができます。

ここまでの事項がすべて「Yes」であれば、原則として借主は敷金を全額返還してもらうことができます。賃借人が裁判で主張したり、証拠を提出したりしなければならないのも原則としてここまでです。
ところが、敷金契約は賃貸借契約上生じることのある、賃借人の債務不履行による損害を担保する性質を持っていますので、以下の質問に「No」が出てきますと、敷金の返還額が少なくなったり、場合によっては戻らないばかりか賃貸人に賠償金をさらに支払わなければならない結果になることもあります。

Q6.賃料の不払いはありませんか?

賃貸借契約期間中に賃料を支払わなかった期間があると、その分が敷金から充当され、返還額が減らされます。また、明渡す予定日に明渡せなかった場合には、実際に明渡した日まで日割計算等で賃料相当額が敷金から差し引かれることになります。

Q7.賃借人の取り付けた棚やエアコン等を残したまま退去していませんか?

賃貸人との話合いでそのまま置いていってよいということであれば話は別ですが、賃借人には原状回復義務があるので、それらを取り去るための費用が敷金から差し引かれてしまいます。

Q8.部屋に傷をつけたり、ひどく汚したりしていませんか?

自分が損害賠償しなければならない程度の破損・汚損があるかを検討してみましょう。賠償すべき程度の破損・汚損があれば、その修繕費用は敷金の中から支払われ、足しなければ差額が請求されることになります。

Q9.契約に特約がありますか?それに違反していませんか?

これまでの検討のように、「特約」には、特約といして有効なものと無効なものや、あるいは制限されるものがあります。それらをよく判断して検討してみましょう。

以上、Q6からQ9については、違反の事実は裁判のルールでは賃貸人が主張する責任があり、証拠で証明する必要があることになっています。

しかし、賃借人に明らかな違反があるのであれば、必ず裁判では賃貸人から主張されるでしょう。それから反論を準備するより、先に話してしまい(先行自白といいます)、裁判を早く進めることも重要です。

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