民事調停 手続、民事再生に関する解説

民事調停

民事調停その他の終了事由

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調停をしない措置(調停の拒否)
調停に代わる決定


調停に代わる決定

  • (1)意義
  • (2)調停に代わる決定が行われる場合
  • (3)決定の内容
  • (4)意義申立て
  • (5)異議申立ての効果
  • (6)調停に代わる決定の確定

(1)意義

民事調停イメージ 調停委員会は、当事者に合意が成立する見込みがない場合または成立した合意が相当でないと認める場合において、裁判所が民事調停法17条の決定をしないときは、調停が成立しないものとして、事件を終了させることができます(民調法14条)。

しかし、合意が成立しない場合においても、常に直ちに調停を終了させなければならないわけではありません。法は、わずかな意見の不一致があるなどのために合意が成立しないとして事件を終了させるのでは、それまでに調停手続で行われてきた努力をすべて無益に終わられることになって相当でない場合、裁判所が適当と認める解決の内容を裁判の形式で示して紛争の実情に即した解決を図ろうとする制度を設けました。

すなわち、「裁判所は、調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために公平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡その他の財産上の給付を命ずることができる。」(民調法17条)。これが、調停に代わる決定の制度です。

調停に代わる決定の用件は以下の2つです。
①調停委員会の調停が成立する見込みがないこと
②裁判所が相当であると認めること

調停に代わる決定は一般に、調停委員会が行う朝廷の場合に限ってなし得るものであり、裁判官が単独で調停を行う場合は、この決定をなし得ないと解されています。しかし、たとえばサラ金調停など解決基準が一般化している事件については、調停委員の意見を聴くまでもなく、妥当な決定をなし得るから、調停委員会が行う調停の場合に限るとするのは硬直すぎるという批判もあります。

調停に代わる決定は、裁判官が職権により、条理にかない実情に即した解決の内容(実質的には調停案に近い内容)を裁判の形で示すものであり、当事者に対し、その決定に従って紛争を解決するかどうか熟慮の機会を与えることになります。調停に変わる決定は、これをするのにふさわしい事案について行われるから、その多くの場合、異議申し立てがなされることなく確定し、紛争が解決しています。

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(2)調停に代わる決定が行われる場合

調停に代わる決定が行われる場合としては、次のような場合があります。

①当事者の一方が裁判所に出頭する意思はないが、調停案には応じする意向を示しているとき。

②大筋で合意に達していながら、わずかな意見の相違で合意が成立しないとき

③当事者双方が調停案を受託する意向をもっているが、感情的対立などのために、相手の面前で相手に同調する態度をとりたくないというようなとき。

④当事者は調停を成立させる意向をもっているが、調停の結果につき利害関係をも第三者(例えば、交通事故の損売賠償を求める調停で実際に金銭を支払う立場にある保険会社)との関係で、決定で解決することが望ましい事情があるとき。

⑤当事者から提出された資料、事情聴取、事実の調査、証拠調べ等により事実関係が十分解明されており、調停手続における費用と時間を無益に終わらせることが妥当性を欠くと考えられるとき。

⑥専門家の意見、鑑定等により、紛争解決の基準が明らかになったとき。

⑦貸金、立替払金等の金銭の支払いを求める事件で、相手方が調停期日に出頭しないが、書面で分割払い等の解決案を示しているとき。

⑧紛争の対象が主として法律解釈や適用にあり、その判断を示されれば紛争が解決する可能性があるとき(例えば、明渡請求の正当事由の有無、一次利用の賃貸借かどうか、背信的悪意者か否か等が主たる争いになっている場合など)。

⑨事情聴取や事実の調査、当事者の説得力が十分行われ、調停不十分で事件を終了するのでは、これらに費やした時間、労力等が無駄になって妥当性を欠くとき。

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(3)決定の内容

決定の内容は、当事者の言い分を衡平に考慮し、かつ、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で決められなければなりません。当事者が主張していない事実や調停に現れていない事実を基に決定することは、当事者に対する不意打ちになり、制度の趣旨に反します。

金銭の給付、物の引渡等財産上の給付を命じることも出来ます(民調法17条後段)。この決定は当事者に告知されることによって効力を生じます(同法22項、非訴法18条)。通常、決定正本の送達により告知されます。

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(4)意義申立て

調停に代わる決定に対しては、当事者または利害関係人は、決定の告知を受けた日から2週間以内に、書面又は口頭で意義の申立てをすることができます(民調法18条1項、民調規3条1項)。合意に基礎をおく調停手続の性格から、決定の効力を当事者双方の事後的承認にかからせたものです。異議の理由の記載は必要とされていません。

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(5)異議申立ての効果

1.決定の失効
適法な異議申立てがあると、調停に代わる決定は失効(民調法18条2項)し、これにより調停手続は終了します。

2.決定失効後の訴え提起
異議によって調停に代わる決定が効力を失った場合において、申立人がその旨の通知を受けた日から2週間以内に調停の目的となった請求について訴えを提起したときは、調停の申立てのときに、その訴えの提起があったものとみなされます(民調法19条)。この訴えの提起の手数料については、調停の申立てについて納めた手数料の額に相当する額は、納めたものとみなされます(民訴費用法5条1項)。

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(6)調停に代わる決定の確定

法定の期間内に異議申立てがないときは、決定は確定し、裁判上の和解と同一の効力を生じます(民調法18条3項)。職権で調停に付した訴訟事件について調停に変わる決定が確定したときは、その訴訟事件の訴えの取下げがあったとものみなされます(同法20条2項)。

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